民事裁判入門(有斐閣、中野貞一郎)
評価 ★★★★★(星5)
本書は民事訴訟法をはじめて学ぶ方におすすめする一冊です。
民訴は、難解な用語を用いて難解な理論によって構築されているため「眠訴」などと揶揄されている科目です。しかも、基本中の基本となる部分に条文がなく非常に勉強しにくい科目だと思います。
しかし、本書はそんな民訴を、身近な事例を用いて、また時には図表を駆使して、わかりやすく解説してくれています。著者は有名な学者で内容に信頼も置けます。民訴初学者はまず本書を読むことで民事訴訟法がどのような科目なのか把握すべきです。
ただし、民訴は「訴訟物」や「攻撃防御方法」(請求原因や抗弁といったもの)など民法とくに要件事実論を勉強しないと理解しにくい部分がかなり多くあります(例えば弁論主義は要件事実、既判力は訴訟物を理解していないと民訴を勉強してもわかったつもりになるだけです。私がそうでした笑)。ですので、民法より先に民訴の基本書を紹介しておいて申し訳ないのですが、まずは民法をある程度勉強してから民訴の勉強を開始すべきだと思います。